大阪大学受験 葦牙(あしかび)予備校
 
受験生を持つ親の不安・思い込み症候群
合格体験記へ戻る
1. 宿題が出されないと不安―ノート書き込み作業から覚えることへ!
2. 先生が理解できるように教えていないのでは
ないかという不安
―先生のせいにせず、子どもが覚えることから!
3. できない単元があると不安―理解できなくても覚える努力を!
4. 定期試験が出来ないと不安―英・数を中心とした勉強に!
5. 模試対策をしなければいけないという思い込み―勉強には一貫性が最も重要!
6. 私立高校の誇大広告に対する思い込み―学校情報には客観的態度を!
7. 自分の子供は勉強していないだけで、
いい先生について勉強したらできるはずだという
思い込み
―子どもの能力に合った勉強方法を!
8. 子供の言い訳は正しいという思い込み―子どもは嘘をつく!
 
1. 宿題が出されないと不安
ノート書き込み作業から覚えることへ!
 学校や塾から出されるたくさんの宿題を子供がちゃんと提出しているだけで安心していませんか。逆に宿題などいい加減にしているとこんな状態でいいのだろうか。学 校の面談でも何か言われるし、平常点も悪くなるし、と不安がつのりませんか。
 しかし、ちょっと考えてみて下さい。目に見える宿題とはなんでしょうか。それは、問題集をとにかくノートにやってそれを提出して認めの印を貰っておしまいです。こ れで本当に勉強したことになるのでしょうか。大学受験までに子供が覚えなければいけない単語や文法的知識は大学のレベルによって異なりますが、3000〜7000 くらいはあります。問題集を解いているだけでは決してこの膨大な知識を脳にインプットすることはできません。
ノートに書き込むということと覚えるということは違います。極端なことを言えば、ノートに書き込むというのは理解していようがいまいが、正しかろうと間違っていよ うが、とにかく埋めて提出するという作業です。作業はいくらやっても作業に過ぎません。頭の中にインプットするという点では無駄骨以外の何物でもありません 学校によっては、強制的にテストのやり直しを行わせているところもあります。要領の良い子は適当に処理するのですが、要領の悪い子は、相当な時間をかけてなんと か正解らしきものをどこかから探してきて解答を埋め、学校へ提出ということになると思います。また、テストができないと懲罰的にノートに同じ単語を何回も書かせて 提出させる学校もあります。

[上に戻る]

 受験勉強という視点から、このことを見てみれば、多くの学校で生徒たちに行わせているテスト直しという宿題は、一見勉強をさせているようで、実は作業を行わせて いるに過ぎない場合が多いのです。
人間の脳は覚える気のないものは覚えないのです。ただ、単語をノートに10回ずつ書いても、覚える気がなければ、それはただの作業です。
 英語の勉強の9割以上は、覚えるための意識的努力です。それは先生の板書をきれいにノートに写し取ったり、問題の解答をノートにきれいに書くという作業ではあり ません。電車の中でもトイレの中でも風呂の中でも食事中でもかまいません。とにかく声を出せるときは声を出し、手を動かせるときには手を動かし、歩けるときには歩 きながら、とにかく毎日覚え続けるということが大切なのです。
このような勉強は、ノートという人目に触れる物理的証拠は残りません。しかし、意識的に覚える努力こそが勉強なのです。ノートをきれいに作って先生に提出して認 め印を貰うことは、作業とは言えても受験勉強とは決して言えません。
 学校の宿題で子供の力がつかないとしたら、ではどうすればいいのかと不安になられる方もいるでしょう。しかし、その不安の解決策は、実はとてもシンプルなのです。 英語の勉強は単純なのです。
大学入試に必要なことは次のことです。まずは文法知識を身につけ、英文を読めるようにすることです。これで日本の大学はリスニングを課すごく一部の大学を除き、 私立大学はほとんど大丈夫です。したがって、葦牙予備校では、私立大学を志望校にしている生徒には、<文法+読解>の組み合わせの授業をしつこくやっているのです。 国立大学では、英文和訳と英作文の訓練がこれに加わります。英文が読めるだけでは、なかなか記述問題に対応できません。したがって、読む訓練に記述訓練を加えて いきます。これで神戸大学レベルまでは十分対応できます。

[上に戻る]

阪大、京大となるとかなり難度の高い英文和訳と英作文の訓練が要求されます。したがって、葦牙予備校では生徒たちにとってかなり難解に感じられる抽象度の高い英 文読解訓練と、和文和訳をしないとどうしても書けないような英作文問題に対して、その和文和訳のテクニックを指導しながら生徒の添削にも力を入れた指導を行っているのです。
東大は京大・阪大と異なり、速読速解、要約能力の訓練とリスニングの訓練が要ります。したがって、高2までに阪大レベルくらいの二次力をつけた上で、3年では実 践的な訓練を継続して行っていく必要があります。
そして、どのレベルの勉強においても、未知の語句を「覚える」努力は最後まで継続する必要があります。
もしこのような勉強をしていない場合、それは勉強をしたことにはならないのです。受験勉強は作業ではないということを意識して欲しいと思います。

[上に戻る]

 
2. 先生が理解できるように教えていないのではないかという不安
先生のせいにせず、子どもが覚えることから!
 先生が理解できるように教えてくれないから、うちの子供はできないと思っていませんか。確かにひどい先生もいると思いますが、英語に関する限り、分る、分らない、 という前にあまりにも覚えていることが少なすぎる場合が多いのです。he もshe も区別がつかない中学生に過去形や進行形を説明しても、なかなか理解できません。
 英語の勉強では、まずある量を覚えることが大切なのです。人間たくさん覚えるといろいろなことを比較するようになります。そして、いろいろ知っていることが増え てくると、そのとき初めて疑問がわいてきます。疑問がわくから、聞く、聞くから分る、つまり、ピンとくるという現象が起こります。
 先生の説明が分らないと子供が言ったときに、まず自分の子供がどれくらいの単語量があるか調べてみて頂きたいと思います。中学生でしたら、their, three, tree, there の違いが分っているか、There is, とThey are の区別がついているかを調べるだけでもいいのです。もし分っていなければ、とにかく英文を読みながら、一語一語 逐語訳できるまで単語を覚えさせる必要があります。先生の教え方が悪いとか良いとか考える前に、まず子どもさんの現状を把握しておきましょう。
 高校生の場合、まず文法問題集の中の英文が訳せるかどうか確認してみましょう。
もし、この段階であまりしっかり訳せないとしたら、すでに学習済みで意味が分っている教科書などを使って徹底的に語彙を増やす必要があります。すべてはある程度覚 えてからです。この時、大切なことは単語だけ覚えようとせず、テキストの音読も並行して行うことです。
 このようにして覚えていくことを日常の勉強に組み込んだ生徒は、もし、分らないことがあっても、何が分らないか言えるようになるものです。その時に初めて、先生 の説明が分りやすいとか、分りにくいと判断できるようになるのです。
 また、その頃には自分ができないのを先生のせいにすることもなくなっていることでしょう。
 大切なことは、自ら、日々「覚える努力」をすることです。

[上に戻る]

 
3. できない単元があると不安
理解できなくても覚える努力を!
 子供が定期試験で、ある分野や単元の出来が悪いと気になるということはありませんか。そして、その単元ができたらもっと成績がよくなるのにと考え、その単元をち ゃんと先生に聞いてきなさいということはありませんか。
 確かにある単元、例えば、英語で言えば、関係代名詞や仮定法などがよく理解できていないということがあります。しかし、その理解できていない単元にこだわるあま り、本来すべきことができなくなってしまう場合があります。大事なことは、入試の日まで勉強し続けるということです。一カ所で長時間立ち止まらないということです。 中学3年、高1,高2、高3と何回も理解できなかった単元に触れていくはずです。
ですから、その時に分らなくても、あまりこだわらずに、とにかく英文の中に出てくる単語、イディオム、相関語句などを覚え続けることです。理解のことにばかり頭が いくと、一番大切な「覚える」という勉強がおろそかになってしまいます。そして覚え続ければ、結果的に志望大学に合格するようになります。安心して下さい。安心で きないのは覚える努力をしないことです。覚える努力をしないで、理解できないと子供が言った場合、勉強したくないための言い訳、自己保身の本能が働いているな、と 考えて見ることも大切です。
 数学は理解せずに先に進むということはほぼ不可能ですが、英語の場合、理解しようとする姿勢を保っている限り、初めて触れたときには、理解できなくても、とりあ えず、語句やイディオムを覚え続けているうちに、やがて理解できる日もくるのです。
その日まで地道にコツコツ読み、覚え続ける努力こそが大切なのです。

[上に戻る]

 
4. 定期試験が出来ないと不安
英数を中心とした勉強に!
 お子さんが定期試験で、一教科でも赤点を取ると不安になるということはありませんか。公立中学の場合は、高校受験というものがあり、内申書がかなりの比重を占め るので、公立中学へ子どもを通わせておられる親御さんが社会の点が悪いとか、保健体育の点が悪いとか言って心配されるのは、もっともことなのですが、中高一貫の学 校へ子どもを通わせておられる親御さんは、社会や理科が悪かったりしても、それほど心配される必要はありません。なぜなら、社会や理科という教科は英語、数学に比 べたとき圧倒的に量が少ないのです。本人が本格的にやり出せば、高2や高3でも間に合う教科だからです。
 一方、中高一貫校に通っている生徒が気をつけなければいけないのは、英語と数学という教科です。この2教科が平均点以下である場合、大いに気をつける必要があり ます。とくに英語という教科は、理系へ進むにしても文系に進むにしても必須教科となります。英語で落ちこぼれると大変なことになります。
 私の塾でも英語で落ちこぼれた生徒を何人も見ているのですが、学年が進むほど立ち直らせるのが困難になります。中1の範囲がまったく分らなかった場合、集中的に やれば、1ヶ月くらい、中2の範囲までがまったく分らなくなっている場合、3ヶ月くらい、中3・高1の範囲までまったく分らないような状態できた場合、半年くらい、 それも本人が相当やる気になってくれている場合にやっと立ち直らせることができます。
 高2くらいになってから、何とかして欲しいと頼まれてもなかなか立ち直らせるのは難しいです。なぜなら他の生徒と比べた場合、それまでに「覚えた量」に何年分も の差があるからです。よほど、本人にその気がないと、まったく分らなくなった英語を分るようにさせるのは至難の業だということを理解しておいて欲しいと思います。

[上に戻る]

 
5. 模試対策をしないといけないという思い込み
勉強には一貫性が最も重要!
 学校の方から、英検を受けて下さいとか、TOEICのテストを受けて下さいとか、模試を受けて下さいとか、言われると子どもにどのように勉強させたらいいのかと不安 になることはないでしょうか。
英検対策をどうしたらいいですか、TOEIC のリスニング対策はどうすればいいのですか、という相談を受けることが私もよくあります。また、多くの学校で、中学生 に基礎英語を聞きなさい、と言って基礎英語のテキストを定期試験の範囲に入れたりしています。
確かにNHKの基礎英語はいいテキストであり、継続的に高3くらいまで、つまり英会話上級くらいまでしっかりやり続ければ相当の力がつきます。しかし、多くの学 校が中2か中3になると基礎英語シリーズの使用をあまり勧めなくなり、英検も高1くらいまでは勧めているようですが、その後はあまり生徒に勧めなくなるようです。 そして、その代わりに、TOEICなどを受験させ、そのための勉強をしなさいという学校もあるようです。
英検は英語の好きな生徒には私も大いに勧めたいし、また自分の英語力を計るよい物差しでもあります。英検を4級、3級、2級と受け、また、準1級、1級と目標を 高く掲げながら、勉強していけば相当な力がつきます。また、社会人向けの試験ではありますが、TOEICなども利用すれば、将来英語を使って仕事をしようという気持ち も出てくるかもしれません。
 英語の入試問題には関西型と関東型があり、関東型の私立大学では、TOEIC 型の社会人英語の知識を問うような会話問題や文法問題なども出題されています。したが って、将来、東京の方の大学へ行って、英語を使って国際的な場で大いに仕事をしようと思っている人には大いに英検、TOEICなども併用した勉強方法を勧めたいと思います。
ところが、関西型の入試問題は、関東型と異なり、あまり昔と変わりません。つまり、文法知識があり、きちんと読めて、きちんと日本語に訳せる、さらには日本文を 英訳できるということが基本となります。これはTOEIC や英検対策では身に付かない力です。ほとんどの国立大学はこの関西型です。 このような関西型の入試に成功するためには、あれこれいろいろなことを気にせず、基本となる文法知識を身につけ、英文をしっかり読み、知らない単語を覚え、英文和 訳の練習をし、また、基本となる暗唱例文に習熟し、和文英訳の訓練をする。この課程を繰り返し行っていくことです。この課程において、自分の力を知るために英検を 受けるのも大いに結構ですし、また、模試を積極的に受け、自分の力を知るということも大切です。しかし、くれぐれも勘違いして欲しくないのは、英検や模試のために 今日の勉強をしているわけではないのです。日々の勉強の結果を見るために、そして、自分の弱点や問題点を見つけるために試験は受けるということです。大切なことは、日々一貫した勉強を続けるということです。

[上に戻る]

 
6. 私立中・高校の誇大広告に対する思い込み
学校情報には客観的態度を!
 ある中高一貫校に入っただけで、最低、阪大くらいは合格すると思っていませんか。また、この学校へ入りさえしたら、関関同立くらいは合格するはずだと思っていませんか。
一部の私立学校で、優秀な生徒に学校側が受験料を出し、10でも20でも大学(学部)を受験させるということが明るみに出たのはそれほど前のことではありませ ん。学校側が発表するのは合格者の延べ人数です。したがって、一クラス40人クラスで、実質的に関関同立に合格できる実力をもった生徒が4人しかいなかったとして も、今日の複雑な入試制度を利用すれば、4人に10回受験させ、すべて合格すれば、延べ40人が合格したことになり、さもこの高校では、ほとんどの生徒が関関同立く らいは、全員合格できるのだという幻想をふりまくことができるのです。

[上に戻る]

また、ある中高一貫校では、この学校へ入学さえすれば最低、阪大くらいは合格するという幻想をふりまきます。私立など眼中にないと言わんばかりに、合格発表者名 に私立を含めないという学校もあります。このような学校へ入学すると、自分の実力と自分が努力して達することができる目標大学との差に盲目となり、自分は京大を目 指しさえすれば合格できるものだと思い込む生徒や親が出てきます。
普通、高1くらいまではこのような幻想に惑わされていても、高2、高3くらいになってくると徐々に、自分の実力が見えてきて、志望大学の選定やそのために、何を なすべきか、ということが見えてくるのですが、中には、高3になっても、幻想から目覚めることがなく、入試という現実に直面して、初めて少し目が覚めるという人もいます。
本屋などに行くと、「偏差値38から早稲田に合格!」などといった本が置いてあります。確かに潜在能力がある生徒は、あるきっかけで急伸する場合があります。 私の塾でも「奇跡の合格や!」と友だちや学校の先生に言われる生徒が出ます。合格体験談を学校で発表して欲しいと言われる生徒も出ます。学校ではクラスでビリの ような生徒が入試の頃にはクラスでトップグループに入り、無事、関大に合格したり、近大も危ういくらいの実力しかなかった生徒が、最後には国立大学に合格したりとい うこともあります。また、中学の頃には、定期試験で10点もとれず、退学に追い込まれそうになった生徒が、関関同立レベルの大学に合格するだけの実力をつけたこともあります。
このような生徒は、受験勉強を始めるまでは、模試を受ければ判定はEです。Eは「絶望的」という意味です。しかし、潜在能力に見合った努力をひたすら続けている と、ちゃんと結果が出てくるのです。私は、努力が奇跡を生むと信じています。英語の勉強はシンプルです。そのシンプルな勉強に耐えて、努力し続けると、教えている 私に「こいつ少し分かるようになってきたな」という印象を与える日がやってきます。

[上に戻る]

そうなればしめたものです。このような生徒は入試で必ず結果を出してきます。京大を受験する生徒ができているとは限らないのです。「おいおい、こんな力で京大を受 けるのか?」と言いたい生徒もいます。しかし、取り敢えず最後まで塾のテキストを勉強し、私に言われたことをやり続けていると、ある日、「おっ!」と思わせる日が きます。英語だけ見れば、「お前の力じゃ、関関同立も無理」と言いたい生徒が何カ月もやっているとそうなるのです。
私はそれぞれの生徒の潜在能力に見合った努力をさせたいと考え、また生徒にそのように勉強をして欲しいと願っているのです。
潜在能力がないのにプライドだけ植え付けられた場合、その親子が挫折した時のことを考えると忸怩たるものがあります。目標をちゃんと定めることはとても大切です。 勉強が好きという生徒はごく一部です。だからこそ目標をしっかり定め、動機をしっかり持って、そのためにやるべきことをコツコツやる必要があるのです。
学校側の誇大広告を冷静に判断するだけの心のゆとりを親御さんにも持って頂き、子どもの潜在能力に見合った環境作り、励まし方をして頂きたいものだと念じています。

[上に戻る]

 
7. 自分の子供は勉強していないだけで、いい先生について勉強したらできるはずだという思い込み
子どもの能力に合った勉強方法を!
 私の子供は勉強しないだけで、勉強したらできるはずだ、と思い込んでいませんか。
 確かに、子どもをみていれば、才能のある子とない子はかなりはっきりと分かります。この子は勉強すれば、このあたりの大学までは可能だろうとかなり正確に予測で きます。これは長年子供たちを見てきた経験からかなり自信を持って言えます。しかし、よく理解しておいて頂きたいのは、「できる」ということにはいろいろな「でき る」があるということです。これを英語の勉強でいえば、次の才能のうち子供がいくつ持っているかということです。
(1). 勉強力
(2). 理解力
(3). 記憶力
(4). 連想力
(5). 集中力
(6). 持続力
 以下で、一つずつ詳しく説明していきます。

[上に戻る]

(1).「勉強力」
この言葉は、私の造語なので今まで聞かれたことはないと思います。私が言う「勉強力」というのは「勉強をすることができる能力」のことです。「あの子は勉強がで きる」「試験でいい点が取れる」という言い方が普通かと思われます。しかし、多くの子どもたちを長年教えているとよく分かることですが、「勉強をする能力」と「試 験でいい点が取れる能力」とは異なります。これは本人の「頭の良さ」、つまり、「理解力」や「記憶力」とは異なった能力です。
 中学で学習する程度の量なら、頭のいい子は勉強しなくても、かなりいい点が取れます。学校の授業を聞いて、テスト前に1時間も勉強すれば、90点以上を取る生徒 もいるでしょう。クラブばっかりやっているのにどうしてあんなにテストの点がいいのかと不思議に思われる生徒もいると思われます。
しかし、大学受験となると、このような生徒も「勉強をする能力」が欠如している場合、なかなか志望大学に合格するのが難しいのです。大学受験においても、高校3 年夏までクラブ活動に熱を入れていたのに、現役で東大、京大に合格してしまう生徒も確かにいるにはいるのです。しかし、このような生徒は例外と見なさなければなり ません。普通の生徒がたいした努力もせずに国立大学に合格できるほど、受験勉強は甘くはないのです。高校で覚える量は中学の10倍と思って頂きたいのです。中学時 代なら、ちょっとの勉強でいい点が取れたとしても大学受験ではそうはいかないのです。ところが、「勉強力」が欠如している生徒は、よほど何か強い動機がない限りは 勉強を始めません。ここが悩ましいところなのですが、大学入試程度では「勉強力」を欠いた生徒には、勉強を始める動機たりえないのです。
ではどうすれば良いのか、という当然の疑問に対して、正直なところ妙案が私にもありません。残念ながら、今のところ、そのような生徒に対して私ができるのは、見 守ることしかありません。

[上に戻る]

(2).「理解力」
 この能力は、自分の子どもしか見ていない親御さんが正確に判断することはかなり難しいと思われますが、子どもを何人も教えているとおのずから分かってきます。 「理解力」があるというのは、どの程度まで「抽象概念」を理解し操作することができるかという能力です。自分の子供を親が客観的に判断することはかなり難しいこ とですが、それでも次のような質問を子どもさんにして見られればだいたいのことは推測できます。
(a) 「形容詞ってなにか、具体的に3つほど挙げてごらん」と聞いてみて下さい。
 これで、すぐ「きれい」とか「早い」とか「高い」と言える子どもはかなり理解力があります。しかし、これにすぐ答えられない子どもが多いですから、さらに次のように説明してから同じ質問をします。
(b)「形容詞ってね、ほら「きれいな花」っていうでしょう。その「きれい」が形容詞よ。「高い山」の「高い」とか「大きな建物」の「高い」も形容詞よ。他にもいろいろ形容詞があるわね。3つくらい挙げてごらん」と聞いてみて下さい。
 この段階で「あ、そうか。じゃあ、「広い」「青い」「小さい」なんかだね」と言える子どももかなり「理解力」があります。
 もし、上のようなステップを踏まず、いきなり次のように説明して理解する子どもは飛び抜けて優秀だと思って下さい。
(c) 「名詞、たとえば「机」や「花」などを修飾する言葉を形容詞というんだよ」と言ったときに、じゃあ「大きい」や「きれいな」という言葉は形容詞なんだね、とすぐ反応する子どもは相当頭脳明晰です。
 もし、(a)のあたりで四苦八苦していると、不定詞の単元で理解すべき「名詞的用法」「形容詞的用法」「副詞的用法」などの概念はほとんど理解できず、しばしば先 生が授業中に使う文法用語がまったく理解できないまま授業が頭の上を通り過ぎていくということになります。
(b)の段階くらいにあれば私立なら関関同立、国立なら神戸大・市大レベルの大学まで大丈夫でしょう。
(c)の段階にある子どもは他の「勉強する才能」や「持続力」があれば、東大でも京大でも合格するでしょう。
 英語では上に述べたような方法で「理解力」を知ることができますが、もっと分りやすいのは、算数・数学です。小学校のときに「文章題」ができたかできなかったが 一つの目安になります。「文章題」ができなかったお子さんは相当理解力が欠如していると判断していいと思います。逆に「文章題」がすらすらできれば間違いなく数学 は評定「5」でしょう。それほど教えて貰わなくても、自分でできてしまう生徒は「5」でもその上の方の「5」でしょう。
中学では「食塩水の問題」というのがあります。また、一次関数の式とグラフの関係を問う問題もあります。このような問題をすらすら解いている生徒はかなり出来ると判断できます。
中学のときにそれほど一生懸命勉強しなくても数学の実力テストでかなり込み入った応用問題がすらすら解ければ、大学ではかなりハイレベルな大学を目指すことができます。

[上に戻る]

(3).「記憶力」
 この能力は、新しい知識を覚え、必要なときに思い出せる能力です。
大学受験において「覚える」ということは非常に大切な要素です。しかし、「覚える」ということに関して生徒は何か誤解をしているのではないかと感じることがよくあります。
 私の塾でも単語集を与え、覚えてきなさい、ということで、毎週単語チェックをしております。すると、必ず「先生、覚えられない」という生徒が出てきます。そこで、 どのようにして、どれくらいの時間を「覚える」ことに割いているのか、そして「覚える」ことをどれくらい繰り返しやっているのか、聞いてみると、実は意外とやって いないのです。新しい単語を5回くらい見ただけで覚えられないという生徒、また、覚えたことを繰り返しやる必要があるのですが、それをしない生徒がとても多いので す。英語の単語を100くらい覚えるのはそれほど時間がかかりませんが、数千という単語を覚えるには、相当の時間がかかります。覚えたつもりでも繰り返し、繰り返 し反復し、そして英文を読み、また、覚え、そして読むという繰り返しが必要です。
それをせず、単語集だけ、それも単語しか書いてないような単語集を使って、「覚えられない」、「英文が読めない」という生徒に対しては、それは当りまえのことだ、 としか言えません。なぜなら、人間の脳は小学校の時の脳と違って、中学から高校になってくると、あるものを単発では覚えにくくなってくるからです。いろいろなこと と関連づけたり理解したりしないと覚えにくくなってくるのです。したがって、例文がついていたり、ある程度の英文がついている単語集などを使って記憶する方がよほど定着はいいのです。
記憶力はもちろんそれぞれの生徒によってその能力は違います。しかし、語学の場合、努力して継続していけば、きっと実を結ぶ日がくるのです。それを少しやったくらいで自分は記憶力が悪い、覚えられないというのは、勉強から逃げていると思ってもいいと思います。

(4). 「連想力」
 この能力は、いろいろな知識を結びつけて総合的に判断できる能力です。子供たちと話をしていると、語彙力や文法の知識だけみれば、それほど変わらない生徒でも、ある生徒 は高得点をとるのに、ある生徒はあまり点が取れないということがあります。この理由の一つが連想力です。連想力のある生徒は、単に問題文を読むだけでなく、出題者の意図や、 一般常識や、他の教科の知識なども無意識のうちに総動員して解答しようとしていますが、連想力のない生徒は、ただ、一直線に答に至ろうとします。そのため、非常に単純な質問 の場合は、できるのですが、ちょっと変化球を投げられると手も足もできなくなります。
 この能力はかなり先天的なもののように思われますので、もしこの能力があまりないと思われる生徒は、自分が持っている他の能力、例えば、勉強力や持続力を総動員して勉強 に励んで貰いたいと思っています。

(5). 「持続力」
 この能力は、語学の勉強において実に重要な才能です。昔、私がアラビア語の勉強を始めたときの先生がアラビア語は実に難しい言語だけれども、語学は「やる気・根気・年 期」の三つの「き」だよ、と言っていましたが、まったくその通りだと思います。数学などはかなり才能によって左右されます。しかし、語学は「持続力」という才能のある人に はかなり有利な分野です。「覚えようという意欲」があり、それを飽くことなく毎日続けられる才能、これは立派な「才能」です。この才能がないと、ちょっとやってはすぐやめ、 またちょっとやってはすぐやめ、ということを繰り返します。語学の勉強では、これはほとんど常にゼロからやっているようなものです。大学受験という膨大な知識量を要求され る試験を受けるにはまったく不向きです。
 英語の勉強は、数学のように問題を1問解いたときのあの「やった!」という快感はありません。山登りのようなものです。まったく回りが木ばかりの何も見えないところを ただ頂上目指して一歩一歩、歩いているようなものです。ところがそうしていると、ある日、パッと視界が開けるのです。その時の快感は頂上に登ったときの快感と似ています。 急にある日、英文で書かれていることがあまり辞書を引かなくても分り始めるのです。この快感を味わうためには「持続力」という才能が要ります。
 英語の勉強で味わうこのような快感は、数学と違って時間がかかるのです。ですからほとんどの人は、よほど強い動機がないかぎり勉強を続けることができず、結局、このよ うな快感を味わうことなく終わっています。
 しかし、逆に言えば、持続力があれば英語力はかなり伸びるということです。大学受験ということで言えば、1年間、持続して私の言う勉強方法を続ければ、かなり難度の高 い大学でも合格できます。
持続力は、連想力や理解力と異なり、意識的に身につけられる能力です。意識的に30分ずつ単語を覚える。これをするだけで、持続力がつくばかりか、人が生きていく上で大 切な忍耐力も身に付くのです。ひいては、これが勉強力の増強にもつながるのです。
だからこそ、この能力だけはフル活用してもらいたいものです。

[上に戻る]

 
8. 子供の言い訳は正しいという思い込み
子どもは嘘をつく
 子供が学校の先生の説明が分らなくて理解できないと言うと塾を探し、塾の先生の説明が分らないというと家庭教師の先生を探すということをしていませんか。
 子供は自分が理解できなかったり、テストで出来ないと親に怒られないための言い訳をでっち上げる傾向があります。子供は結構ウソをつきます。自分ができないのは、 学校や塾の先生の説明が下手だからだと親には言い、塾では学校の先生がひどい、何を言っているのか分らないと言います。そして学校や塾では、親がうるさい、と文句 を言います。悪いのは、みんな自分以外の人間だというわけです。
 子供がウソを言う心理は分ります。テストで出来なければ親に叱られます。叱られて嬉しい子供はいません。それがたまのことならいいのですが、いつも叱られている と嫌になり、叱られない言い訳を子供なりに考えるわけです。それがウソの乱発です。
 子供があの先生はひどい先生だと言ったとき、頭から子供の言葉を信じないことが大切です。確かに子供の言うことが正しいこともあります。しかし、子供が自己保身 のためにウソをついている場合もあります。その点をよく見極めないと学校の先生から塾の先生へ、そして家庭教師の先生へと先生をコロコロ変えても結局、成績は少し も上がらなかったということになります。
 大事なことは子供が勉強したくない言い訳として「あの先生は悪い」と言っているのか、本当に悪い先生なのか、できるだけ客観的に見定めることです。親の情として 難しいところですが、これは肝心なことです。そうしないと子供に振り回されてお金をドブに捨てるようなことになりかねません。
 大切なことは子供の言い訳をできる限り客観的に見極めようという姿勢を保つことです。親の情として難しいことかもしれませんが、是非、そうして欲しいと思います。

[上に戻る]